ふとん屋のつぶやき

ふとん屋として・・・

グルーダウンについて

グルーダウン。初めてお聞きになる言葉かと思います。ホワイトダウンと違う灰色(グレー)ダウン、というわけではありません。グルーダウン、非常に危険な羽毛ですが、昨今の羽毛の価格高騰とともに急速にそれが使われた製品が世界中に出回っているといわれています。

グルーダウン。ダウンは羽毛のダウンのこと。では、グルーって?英語で書くと「glue」です。意味は「接着剤、のり」など。つまり、グルーダウンは「接着剤を使ったダウン」ということになります。

グルーダウンは、使う人に健康被害が出るおそれが高い非常に危険な羽毛です。素洗いだけした不潔な羽毛に薬剤を大量に使用し粘着性を持たせて、ファイバー及びホコリ等を付着させた羽毛。この羽毛は、精製処理を行うことなく製品化され、その製品の使用中に剥がれたホコリとともに薬剤やバクテリア、カビ類が人体に取り込まれてしまう可能性がある危険な羽毛です。健康被害が出る可能性もあります。また、ホコリやバクテリア、カビ類から強い異臭を放つこともあります。羽毛ふとんになった場合でも、かさ高がさらに低くなるという問題も報告されています。

つまり安さを追求するあまり、羽毛を接着剤で作り出し、しかも暖かくもないという価格以外のメリットが全くない羽毛です。価格に関してもメリットと言う言葉を使ってはいけないものでしょう。人体への健康被害が出るというデメリットがあまりにも大きすぎます。

また、通常、羽毛ふとんに使う羽毛は何度も何度も洗浄され、きれいな状態で羽毛ふとんに使われていますが、昨今の羽毛価格の高騰により、その洗浄工程を減らす、省略することで価格を抑えているものがあります。できる限り安価な羽毛を作るために、安全性を無視した薬剤を大量に使っているものもあります。

安さを追求すればするほど、安全性などを考えない価格だけしか見ない製品が見られるようになります。安全・安心には、どうしてもコストがかかります。安いから買う!というだけでは非常に危険とも言えます。グルーダウンに関しては、安さにつられて、寒いというだけではなく、健康被害が出てしまう最悪の結果になりかねません。

当店では、信頼できる場所から羽毛の原料を仕入れて、実際に目で見て触って、羽毛に充填していますので、安心してお買い求めください。

羽毛産地偽装、みたび

羽毛の産地偽装について、みたび。
前回、前々回と、長文でしたがお読みいただいた方、ありがとうございました。まだ見てないよという方は、お読みいただけると幸せます。

お客さまの不安を取り除くべく、産地証明書・出荷証明書を取り寄せました。当店取り扱い羽毛が産地偽装されたものではないという証明書です。原料メーカーによりますと、これ以上の証明書は出すことができない、というレベルの証明書であり、店内に置いています。

この証明書以外の証明としては、当店を信用していただくほかありません。

当店は「羽毛工房」として、自店で羽毛ふとんを作ることができます。羽毛を触っているので、感覚として分かるところがあります。産地は分かりませんが、品質の違いは分かります。今後もみなさまが安心してお買い求めいただける羽毛ふとんを提供してまいりますので、よろしくお願いいたします。

羽毛産地偽装、ふたたび

羽毛の産地偽装について、ふたたび。今回も長めです。

前回の投稿、長文でしたがお読みいただいた方、ありがとうございました。まだ見てないよという方は、お読みいただけると幸せます。

食品の産地偽装はかなり敏感ですが、羽毛の産地偽装と聞いてどう感じましたか?「直接口にするもの、食べるものじゃないし問題ないでしょ」とお考えの方もいらっしゃるのでは?

羽毛の産地、羽毛ふとんではかなり重要なことです。当然ですね、羽毛ふとんの中身は100%羽毛(ダウン・フェザー)なんですから。一体何に影響があるのか・・・大きく3点でしょう。

1.価格
2.品質
3.暖かさ

今回は確実に価格を追い求めた結果です。事実「今回は値段優先で」と報道されています。価格重視の結果が暖かさや品質を落とすことに、そして消費者からの信用を落とすことにつながりました。

低質な中国産を良質な欧州産(フランス産など)と表示を偽装することで、いかにも良い物が安くなったかのように見せ、表示の割に暖かくもない(ふんわり膨らまない)羽毛ふとんができます。

「本当にこの値段でこの品質のものができるんだろうか?」が「この値段だったら、まぁその程度のものよね」と、ただ単に安い物を安く売っていただけ、と明らかになったわけです。

「価格に意味あり、安さに理由あり」
良いものが高いのは当然(高いものは必ず良いものかは疑問ですが・・・)と言えます。そして安い時には何か理由があるものです。

当店は「羽毛工房」として、自店で羽毛ふとんを作ることができます。だから羽毛を触っているので、感覚として分かるところがあります。産地は分かりませんが、品質の違いは分かります。

以前から、羽毛ふとんほど値を表すものはない。値は値ほどと言われていました。正直なところ、安い羽毛ふとんで良い羽毛ふとんというのは、なかなかありません。

当店は自店製造ですので、中間マージンがカットできるため、できる限りお安く、同程度の品質のものだったら確実にお安く提供しています。もちろん安さだけではなく、これからも間違いない安心の羽毛ふとんをお届けしてまいります。

今回の羽毛産地偽装。夏に向かう時期、これから新しい羽毛ふとんの販売数は減少していきます。その頃を見計らった報道なのでしょうか・・・来シーズンまで消費者は覚えていない、という目論見もあるのかもしれません。覚えていてくださいね。

羽毛産地偽装

結論を先に書きますね。お時間ございましたら、最後までご覧くださいませ。

当店で作っている羽毛ふとんは、報道されているような産地表示を偽装したものではありませんので、ご安心ください。原料メーカーに問い合わせたところ「輸出証明(産地証明)もあり、問題ないので安心してください」とのこと。なお、現在当店で作っている羽毛ふとんに、フランス産羽毛、ならびに中国産羽毛は使用しておりません。

さて、
「実際とは異なる産地が表示された多数の羽毛布団が市場に出回っている疑いが出ている。」という報道がありました。具体的に言えば、フランス産として販売されている羽毛布団の「半分以上は偽装と思われる」ということです。

なぜ、こういったことが起こるのでしょう・・・

至って単純なことです。安い羽毛を混ぜて仕入れ価格を抑えているのです。それは価格競争、安値追求から生まれます。ここ数年で羽毛(原料)の価格が2~3倍以上高騰しました。円高の影響や生産量の減少など、原因は多々あります。にも関わらず、依然として安価な羽毛ふとんが販売されています。えっ、何でその品質でその値段でできるの?無理してるなぁ・・・というものも時々見受けられます。

これまでも、Facebookでは何度か紹介させていただきました、羽毛ふとんの価格を抑える方法。
1.側生地の品質を落とす。
2.羽毛の量を減らす。
この2点です。そこに、業界では以前からまことしやかに噂されていた産地偽装・・・。

例えば安価な中国産の羽毛を使用して、中国産と表示して、安く販売するのは全く問題ありません。今回問題となっているのは、欧州産(フランス産)と表示しておきながら、実際は中国産9割・フランス産1割などと偽装されていることです。お客さまはフランス産の良質羽毛と思い、良い羽毛ふとんを買ったのに、実際は質の悪い羽毛ふとんを買ってしまったことになります。

羽毛はふとんの側生地の中に入っているため、確認が非常に難しいものです。購入するにあたって、メーカーを信用するか、販売店・販売員を信用するか、自分を信じて買うか・・・という難しい判断を余儀なくされます。

当店の販売する羽毛ふとん(既製品)は「間違いないですよ」と言いたいところですが、絶対大丈夫という証明は出来ません。それがみなさんのよく知る大手メーカーであってもです。既製品に関しては、当店も仕入先からの情報を信じるしかありません。しかし、当店は自店で羽毛ふとんを作ることができます。だから羽毛を触っているので、感覚として分かるところがあります。

実際に羽毛を触っている身として、既製品羽毛ふとんやリフォームに出された羽毛を触ってみると「あれ?表示タグに書かれているような羽毛と違うな・・・」ということを感じることがあります。見た目も表示の通りだったら、もっとふっくらしているはずなのに・・・というものも。ただし、見て触っただけでは産地は分かりません。

メーカーの言うこと、メーカーが記載していることを信じて疑わない。という方はどこで購入されても構いません。当店としては良い商品を選択し、良いお買物をしていただくことを重要視しています。最後はやはり信頼関係(お客さまとの信頼関係はもちろんのこと、取引先との信頼関係)になるでしょう。当店としては、信頼の置ける原料メーカーとのお付き合いを大事にし、自ら羽毛を見て、触った感覚を信じてまいります。その結果として、お客さまに低質な羽毛ふとんがわたるのを防ぐストッパー役になることでしょう。

末次ふとん店は、ここ彦島にて50年以上、みなさまに支えられ、ふとん屋を営んできました。この間の、みなさまのご愛顧に感謝申し上げます。地域密着の当店ではみなさまの信頼を裏切ることなく、今後も良い商品、安心な商品を提供してまいりますので、よろしくお願いいたします。

安心して「末次羽毛工房手作りの羽毛ふとん」をお買い求めくださいませ。

なお、最後にみなさまに注意していただきたいことがあります。それは、今回の報道により「フランス産羽毛が良くない」というイメージを持ってしまうことです。フランス産羽毛は良質な羽毛です。フランス産羽毛が悪いのではなく、それに中国産羽毛を混ぜるという人間が悪いのです。もちろん単純に産地で判断してしまうことは危険です。中国産羽毛にも良質な羽毛はあります。が、価格を抑えるための産地偽装という手段ですから、今回問題視されている羽毛は低質な羽毛です。

価格には意味があり、安さには理由があります。

・・・続く

ふとんへの想い

ここ最近、テレビなどで睡眠が重要であることが大きく扱われるようになりました。みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。

睡眠と切っても切れない存在なのがふとんです。ふとんは睡眠の質を高めるのに最も重要な、最も適切なものです。

当店では、みなさまに質の高い眠りをしていただきたい。暖かいおふとんでお休みいただきたい。そんな想いから、従来から続けてきているわたふとんの手作りに加えて、羽毛ふとんも手作りできるように、製造機械を導入しました。

それにより、わたふとんだけではなく、羽毛ふとんもみなさんの想い・望みにお応えできるようになりました。

もちろん新しいふとんだけではなく、打ち直し・リフォームなど、お使いのふとんを仕立て直すこともしています。

 

昔からあるふとん屋さんの多くは、わたふとんを自店で職人が手作りしているお店でした。当店をはじめ、今なお、職人が手作りしているお店もあります。

そんなお店は、お客さまとの会話を大事にして、お客さまの注文を聴き、お望み通りのふとんを手作りで仕立てていました。そして数年後、そのわたふとんを打ち直して、仕立て直す。という今でこそ、よく耳にするリサイクル、自然を大切に、を大事にしていました。

そして、ある時期からふとんが手作りの品から工業製品に変わっていきます。

工業化により、ふとんがより身近に、手軽に、安価に買えるようになったのは最大のメリットでしょう。高級布団の代名詞だった「羽毛ふとん」も手を伸ばせば買える品から、一気に普及品になりました。

しかし、そこは工場の一括大量生産品。どのふとんも同じようなもの・・・。

一人ひとり、部屋・住宅・地域など住んでいる環境が違い、寒がり・暑がりなど体質も違い、背が高いなど体型も違います。「みんな違ってみんないい」とは言いますが、その違いにふとんは応えているのでしょうか・・・。

また、ふとんが見た目の柄やデザイン、ブランド、そしてお値段だけが重要であるかのような状態になってしまい、本来一番大切にしなければならない「寝心地」などが、ないがしろにされてきました。

最近では「お値段」が大きな顔をしています。いかに安い商品を買ったのか?ということが良い買い物をした、価値ある買い物をした、という状況。もちろん価格も大事ですが・・・。

羽毛ふとんも中身を見ることなく、取引先の言葉を信じて、販売せざるを得ない状態に。従来のわたふとんは、中身の綿もすべて確認して手作りしていました。その時代とは正反対のふとんの作り方をしているものを販売していたのです。その結果、極端に言えば、お値段でしか判断できない商品になっていきます。

当店では既製品の羽毛ふとんもありますが、中身をこの目で、この手で確認して作っています。量販店の販売員は、その羽毛の中身を知っていますか?

また、わたふとんも量販店などでは購入後のメンテナンスなど、アフターサービスに手が回らないことなどから多くのお店では扱われていません。

わたふとん、羽毛ふとん、当店で手作りしていますから安心の品質をお約束します。

 

ふとん屋。みなさんにはあまり馴染みのないお店かもしれません。もしかしたら、生まれてから一回も入ったことのないお店、かもしれません。

しかし、みなさまの睡眠を支えているふとん。そのふとんを大事に、一人ひとりに合わせて、大切なあなたのために提供しています。

一人ひとりに合ったふとん。レジへと右から左に、ましてや実際に触ることなくクリックして購入することを考えなおしてみませんか。

健康に暮らしていくために欠かせない睡眠。その睡眠を支えるふとん。

今一度、ふとんを見直してみませんか?